Buzzard Bombshell 絹張りドープ仕上げ

買ってからしばらく放置していたBuzzard Bombshell というオールドタイマー機  
今回はこれを作成しようと思っていますが、被覆はやはりオールドタイマーっぽく絹張り仕上げ!で行こうと思っています。
さてさて、如何なることになりますやら・・。


緒元は上記の通りです。


オールドタイマー機とは言え、バルサはレーザーカット! 少し違和感を感じますねぇ。
などと容易に製作出来そうと甘く見て、設計図と部品を照合していたら・・・レーザーカットは主翼リブと胴枠、それに尾翼の一部分のみだった。
胴体側板でさえ設計図に合わせてカットや整形が必要です。説明書も付いていますが、ぜーんぶ英語!これはもう、経験と勘と適当さを頼りに作成するしかありません。
絹張りの予定ですが、挫けてしまうかも・・・・です。


とりあえず、カットされていない部材を設計図を基に切り出さなくてはならないので、設計図をコピーします。
そのあと部材をカッターで切り出していきます。


いつもの手順どおり、定板の上に設計図を置いて、ラップをかけて組み立て開始です。


設計図面に合わせて、胴体の作成


水平尾翼ですが、中央に走るスパーを跨ぐようにリブキャップ(リブは実際にはありませんが)のような感じでバルサを渡します。
前後縁の内側には、リブキャップ?の貼りしろになる細いバルサ材を中央から翼端まで貼り付けておきます。
上面下面とも同じような工法で、中央が厚く前後縁が薄くなる翼型に仕上げます。
こんな工法は全くの初めてで、作業にかかるまで、かなり悩みました。


あ~ もう完全に舐めていたのを反省してます。とにかく、てこずってます。作成が遅々として進んでいません。
生半可な知識で作っていたら思わぬ落とし穴が待ち受けていて、やり直しを強いられます。
今は主翼の作成をしていますが、けっこう捩れに弱そうな感じです。絹張りでドープを塗ると、ドープの引っ張りに負けて捩れてしまいそうです。
別途に補強が必要か・・・?悩んでます。


とにもかくにも、なんとかここまでできました。
これから、サンドペーパーで磨きに磨いて下地を完成させます。


磨きの途中でちょっと仮組みしてみました。
一応まだ絹張りはあきらめていないので、下地のサンドペーパーがけに努めようと思います。
サンドペーパーは240番くらいで細かな整形と粗仕上げをしたのちに400番くらいのペーパーで最終仕上げをしようと思います。写真はまだ粗仕上げの途中です。
毎日に作業ができませんので、まだまだ時間がかかりそうです。


下地の研磨にかなり時間をかけてやっと下地にドープを塗ることができるようになりました。
今回、絹張りのドープ仕上げといっても、鏡面仕上げを目指すのではなく、絹の目地を生かしたままでの仕上げを考えていますが、とりあえず絹を貼るまでの下地を作るために400番のサンドペーパーでサンディングした後にドープ1シンナー3の割合に薄めたドープを塗布しました。
このドープを2回塗って、400番のペーパーで空研ぎ。
さらに又ドープを2回塗って、400番のペーパーで空研ぎ。
最後にドープ1シンナー2の割合のドープを塗布して絹張り前の生地が仕上がりました。
さすがにこの段階になりますと、これが木の表面か?と思うくらいにつやつやの表面が出来上がりました。(すみません、ちょっと大げさですね)


いよいよ絹を貼りますが、絹はエサキシルクの厚手タイプ。色はカッバー色(赤銅色?)を使用します。
エサキシルクの包装紙の裏面には絹張りの方法が記載されていますので、これも熟読しておきます。


まず絹をそれぞれに張る面の大きさより少し余裕を持った大きさに切ります。
絹には耳と呼ばれる生地の折り返しのある方向があるそうですが、耳の方向が主翼のスパン方向にするとのことです。
なにしろこの絹はとても高価で、廉価な発泡機なら買えるかもしれない位ですから何度も確かめながら切っていきます。


折じわがあるので、アイロンでしわをのばしておきます。


小物の尾翼でおそるおそる様子見しつついよいよ挑戦です。
説明書やネットから得た知識を総動員して実行です。他人様から得た知識ですから、作業工程はパクリに近いものですがご容赦をお願いいたします。
水平尾翼の下面から貼り付けます。


尾翼の上に絹を置き、霧吹きで絹を湿らせます。全体に伸ばして、ドープ1シンナー2(ドープサイザーはドープの10%)の割合のドープで緑色線の部分をまず先に止めてしまいます。


この部分が乾いたところで再度絹を伸ばしながらシワを完全になくした状態にして、尾翼の枠を先ほどのドープで止めていきます。
このときに、下にバルサの生地が無い部分にはドープを絶対に塗ってはいけないそうです。まあ多少はにじみましたけれど、良しとしましょう。
湿度が多いとドープを塗ったあとが写真のように白くなるのですが、(絹に水を含んでいるので、この段階では必ず?白くなります)塗り重ねていくと無くなるので気にしなくて良いそうです。


このあと乾いてから余った絹をよく切れるカッターやはさみで前後縁に巻き付ける部分を残して切り取ります。
その後、霧吹きで前後縁に貼り付けて、ドープで止めます。
上面も同じように貼っていきますが慣れてくると1枚の絹でこの作業ができるそうです。
私は何分にも初めてのことなので、上面、下面の2枚に分けて貼りました。


垂直尾翼とその他の小物類も貼り終えました。


主翼と胴体に取りかかる前に、小さな垂直尾翼の全面をドープで目止めすることにして、その様子を見ることにしました。
上記のドープを刷毛で左右面の全体に塗布します。左右面を一気に塗ったのは、両面をできるだけ均一に乾燥させて、ドープによるちじみを均等化させようとしたためです。
しかし案の定、乾燥するにつれてドープの収縮でねじれが発生しました。
小さな部品ですから、何とかねじれは逆にねじったりして修正しつつ、目止めを行っていきました。
しかし目止めの最終形を知らないのでどこまでやったら良いものかわかりませんでしたが、目止めとはこんなものなのかと疑問を持ちながらも7回の塗布を行って一応目止めを完了としました。

小さな垂直尾翼でもドープの収縮でゆがんでしまいます。これが、水平尾翼さらには主翼なら、さらにゆがみが大きく、修正不能になるのではとここで考え込んでしまいました。
半端な補強くらいでは駄目だろうし、ドープサイザーの配合量を増やすにしても、今度は逆に収縮しなくなったら、絹がたるんだままになってしまいます。適度な配合量を決定する知識も経験もありません。
うーんどうしたものか・・・。


こうなれば、破れかぶれ?絹張りの先生にお叱りを受けそうですが、ねじれるのを止められないなら、ねじれるものならねじれてみろ!と磔の刑?です。
ドープを両面に塗って定板の上にアルミ材を乗せて尾翼の枠を押え付けました。
これの繰り返しで、やはり7回のドープ塗布による目止めを行い乾燥させますと、

見事にねじれがなく目止め完了です。
ただし、アルミ材にドープを塗った縁を乗せると、アルミ材と尾翼がドープでくっ付いて、しまいますので、尾翼の縁にはこの時にはドープを塗らずに後刻別途にドープ処理をする必要があります。

なお、垂直尾翼の時にも感じていましたが、ドープを塗ると絹が少したるんだ感じになります。
本当は一番最初に絹を貼る時にできるだけ絹を張って、ドープを塗ってもたるまないのが理想なのですが、なかなかこれが簡単にはいきませんので、どうしてもたるんだ感じになります。
ドープがだんだん乾いてくるとこのたるみはなくなってくるのですが、しわが少し残る事がありました。なかなかしわが無くならないので、不安になりましたが、一晩放置しておいたら消えていました。ドープの乾燥は夏場は1、2時間ぐらいと聞いていましたが、乾燥したと思っても時間と共にさらに収縮が進むようです。乾燥したと思って油断するとこの収縮によってねじれてしまいそうなので、磔状態でかなりの時間を我慢してもらいました。


次に主翼にとりかかります。主翼は裏2枚表2枚の4枚に分割した絹を貼っていきます。
まずは裏側から絹張りを行います。
水スプレーで絹を湿らせてしわを伸ばした後、写真の緑色の線の部分をまずドープで止めてしまいます。ここが乾いたら黄色の矢印の方向に両手で引っ張りながらしわを伸ばして青色の部分にドープを刷毛で塗りながら絹を止めていきます。
このとき、主翼に限りませんが絹の目がくねくねと歪まないように気をつける必要があります。絹目がくねくねと歪んでいると目止めのドープが収縮するときに不規則な方向に収縮するので、ねじれの元凶になるそうです。
ちなみにバルサの下地が無い部分はまだドープは塗ってはいけないそうです。
主翼に限らずバルサの下地が無い部分は目止めの時に初めてドープを塗るのだそうです。
また、 刷毛を塗る時に必ず同一方向に塗ることが大切で、刷毛を往復させたりしてはいけないそうです。

翼端は絹をぎゅうっと引っ張って丸みの部分に絹をきっちり沿わせてドープで止めました。


反対側も同様に張った後に、よく切れるはさみやカッターで前後縁に巻き込む部分だけを残して切り取った後、この部分を再度スプレーで湿らせ縁になじませてドープで固定しました。表側も同様に絹を貼り付けます。
こうしてとりあえず主翼の絹張りが完了です。


さて、尾翼で磔の方法がうまく行ったので、これを主翼に応用することとして、目止めのドープを全体に刷毛塗りした後は磔です。
この主翼は底面がフラットなので、アルミ角材の上に主翼の前後縁部分を乗せて重りで押さえ付けました。
このときは4回目のドープ塗りが完了したところです。
主翼のねじれは今のところ出ていないようです。


この合間に胴体部分の絹張りを行いました。
胴体は前後に2分割で貼り付けました。
まず後ろの部分に絹を被せ、スプレーして、しわを伸ばした後、緑の線の部分をドープで止めてしまいます。ここが乾燥した後に下方にひっぱりながら、底面まで覆ってしまいます。
絹は湿らせると、想像した以上に伸びて部材になじんでくれるので、このような後部が細くなった胴体にもうまくフィットしてくれました。
胴体前部は主翼の乗る部分が開口しているので、胴体底部から絹を張り、この開口部に折り込んで端末の処理をしました。


胴体の絹張りが完成しました。


まだしばらくは目止めのドープの塗りと乾燥を繰り返す必要があります。
ちなみに絹張りや目止めに使用しているドープはすべてドープ1シンナー2(ドープサイザーはドープの10%)の配合のものです。

本来ならば、すべての部材の絹張りをまず完了して、その後、目止めのドープ塗りを一気にするほうが時間的にも材料も有利なのですが、今回は小さな部品から絹張り、目止め作業と順番に移行していきました。
これは絹張りドープの仕上げの知識が少ないので、少しずつではありますが知識と経験を得ることが目的です。絹張りの端末の処理やドープを塗ったときの絹の状態、絹の収縮の具合やその時間などを順次知ることができて、次の部品の作業に生かすことが出来たと思います。

さあ、もうひとがんばりです。


単色では寂しいので、前部に黒色のエサキティッシュを貼りました。

ドープの塗りを合計7回繰り返して目止めを完了としました。
後はメカの搭載で完了です。

メカ積み前の重量は303.7gです。

作成開始からだらだらとメカ積みや他の用事で放置していたりして、約6ヵ月後にやっと初飛行の日を迎えました。
ややテールヘビーだったので調整のため機首部に重りを積んでモーターも当初の予定より重めの物を選択してつじつま合わせをしました。
機体の重量はバッテリー無しで498gでした。1300mA3セルリポ込みの飛行重量は608gとなりました。
絹張りの機体は、ぺらぺら感が無く、軽さの割に存在感を感じます。
夏の猛暑の中でドープ塗りに苦労しましたが、絹張りは、やはり値打ちがあるなぁとつくづく思いました。

初飛行とは言え、機体の軽さやその形状のためか、別段不安も無くあっさりと離陸。
ただ重心位置をあわせてもかなり頭上げのくせが出ます。ダウンスラスト不足も考えられますが、とりあえずはエレベーターのダウントリムで対応。
モーターオフで滑空させますと、結構浮いてくれます。うまい人ならサーマルに乗せることも十分可能かもしれません。
風上に向かって飛ばせば、ホバリング状態で浮かんでいます。
原型がフリーフライト機らしいので、何もしないでも勝手に飛んでいてくれます。
気楽に飛ばせる機体です。