ミニモア minimoa

バルサ 自作機
かもめのツバサに似たガルウイングを持つグライダー『ミニモア』は1930年代に誕生したグライダーで当時、グライダーでは先進国のひとつだったドイツのウォルフ・ヒルトによって設計、製作されたそうです。
空の貴婦人と呼ばれるその優雅なフォルムには、とても惹かれるものがあり、いつか作ってみたいと思っていました。
キットとしてはサーマル工房さんのキットがありますが、見るからに敷居が高そうで、手を出すのをためらっておりました。
ネットをうろついていますと、フリーフライト仕様の翼長126cmの小型のミニモアの図面を発見しました。
部品点数も少なそうだし、設計図を眺めているとこれなら作れるかもしれないと一念発起。
フリーフライト仕様ですが、最近のラジコン機器の小型化でラジコンへの改造もそんなに敷居は高くなさそうです。
ただし、動翼はラダーとエレベーターのみでエルロンは省くことにしました。
どこまでミニモアらしく作れるのかまったく自信はありませんが、ビンテージグライダー ミニモア、
スクラッチビルドにチャレンジです。

親切なことに部品の切り出し用の図面まで付いていますのでこれをそのままバルサに貼り付けて切り出し開始。

というわけで切り出しの完了

主翼中央部のリブは同じ形のものが複数枚あるので、両側の雛形リブにバルサをはさんで削りこんでいくサンドイッチ?工法で作成しました。

胴体から作り始めましたが、この機体は背骨に肋骨をつけて外壁はバルサのストリングを這わしていくタイプです。
残念なことに切り出した部品と設計図の寸法が合いません。設計図にあわせて部品を再度切り出すのも面倒なので、現物あわせで作成しました。
バルサストリングは2mmのバルサ材を2mm幅で切り出して作りました。

設計図の寸法より若干スマートですが、胴体部分が出来上がりました。

水平および垂直尾翼も設計図と部品にj若干の狂いがありますが現物優先で組み立てていきます。

主翼部分ですが、不思議なことに主翼の部品は設計図とぴったり合っています。
胴体に差し込んで主翼を止めるカンザシは元設計ではバルサ材のみでしたが、ラジコン化で重量増になるので、強度不足でのバンザイ防止のためヒノキのバーをバルサ材の両サイドに接着して補強しました。




主翼の接合角度に気をつけつつ、かもめ型の主翼も完成し、仮組みして、みました。
ガルウイングもそれなりに表現できました。
ちょっとしつこいくらいにいろいろな角度から撮影です。
元設計図のままの状態ですが、飛行重量はフリーフライト仕様の倍以上になるのは確実なので、これからRC機器が載る機首部を中心に補強をする必要があると思います。

カウリングはバルサのブロックと組み木細工の2種類から作成して、気に入ったほうを使おうかな?

動力はコスモテックのCT1811 1800を使うつもりです。

被覆は超軽量機用被服フィルム イギリス製のAIRSPANです。
和紙の風合いに仕上げたポリエステルフィルムです。
接着剤が塗布されているとのことでしたが、熱を加えても全く接着する気配が無し!
裏表を間違ったかなといろいろ試したがまったくだめだめ!
これ、はっきり言って接着剤なんかは塗布されていないようです。

でもってバルサロックという接着剤の登場(買ってて良かった)
バルサに塗布して感想後にフィルムを貼って熱を加えるとちゃんと接着してくれました。

被覆の完了
ただ、水平尾翼は平面ではなく山形のリブになっているので、リブ間の細かい皺がアイロンではどうしてもとれません。
最新アイテムのヒートガンを使ったところ、実にきれいに皺がとれました。


水平尾翼を主翼と平行に接着するのは簡単そうに見えて実は苦手です。
主翼を胴体につけた状態でひっくり返してカセットテープの等でレベルを調整して水平尾翼を接着すると簡単に主翼と尾翼が平行になります。


 尾翼の接着が完了しました。
主翼の抜け止めはかなり悩んだのですが、主翼にフックを付けて胴体内でバネ様のもので互いに引っ張ることにしました。

と思ったのですが・・・ ラジコン機器を搭載したら、思ったより主翼の付け根に重量の負担がかかっているようです。
このままではやはりバンザイの危険性が高いと判断してカーボンパイプのかんざしを追加。
このかんざしを胴体に接着したひと回り大きなカーボンパイプの中に差し込むことにして補強しました。
きっちりとかんざしがカーボンパイプに入りますので、抜け止めにもなることが期待できます。

バッテリー抜きで総重量は116.4gでした。





シールで作った機体ナンバー等を貼ってお披露目です。
最終的に機体のデーターは
翼長126cm 全長58cm 重量116.4g(バッテリー抜き) 飛行重量137g(バッテリー7.4V 330mAh込み)となりました。
だいたい翼面積が12dm2くらいなので翼面加重は11g/dm2前後になるでしょうか。
とりあえずスケールグライダー ミニモアの完成です。